あちこちで、丹誠込めて咲き始めたチューリップや、パンジーなどが無惨にも刈り取られたというニュース・・・。
もうずっと前だけれど、散歩道のお宅の垣根にこんな紙が貼ってあった。
「昨日、うちの庭の花を盗んでいった、貴方!・・・すぐに返してください!!」
その時、思い出した。私の実家は人通りの多い道路に面している。花を植えるスペースも少ないのだが母が丹精して、やっと咲いた花を根ごと引き抜いて行かれた。
がっかりした母は翌日、立て札を書いて、プランターに掲げた。
「わたしを連れて行かないでね。わたしはここで咲きたいのです」・・・・と。
翌日、その横に兄嫁が書いた。
「わたしはここで咲きたいのです。わたしを愛してくれる人がここにいるのです」・・・・と。
・・・この話を母から聞いたとき、母のしゃれたアピールにまた、母の心を察した兄嫁の優しさに触れ、心が温かくなったのを覚えた。・・・・もう10年以上前のお話ですが・・・。
綺麗だから持ち去ったのなら、まだ少しは許される思いがあるが、今回のように、引きちぎられ、うち捨てられたのを見ると、何とも心の荒廃を感じて、この日本、質が悪くなってきているのを感じて、とっても残念。